“Lady Bradford”幻となってしまった「初期型」にまつわる背景


画像は1949年のクリスマス商戦に向けた雑紙広告。まだ台座が付いていない初期型の “Lady Bradford” が新商品として掲載されている。1949年のクリスマス商戦に向けた新商品として “Lady Bradford”はラインナップされたが、発売当初のデザインは流麗で⾮常に美しいものの、ボトム部分に向けて絞られていくフォルムによって、筐体の⼤きさに⽐較して底部が⼩さく、不安定で簡単に倒れてしまうという報告が相次いで、発売後すぐに販売が⼀時中⽌される。およそ半年後の 1950年6⽉に、台座パーツを追加した改良型 “Lady Bradford”が再発されるが、これは底部にドリルで⽳を開け、ボルトと接着剤でパーツを固定したものだった。つまり「初期型」と呼ばれる「台座の無いモデル」とは「不良品」として出荷されたまま回収されなかった「ごく僅かな初期ロット」を意味しており、その結果、期せずして、現存するあらゆる ZIPPO コレクティブの中でも最も数が少ない「幻」と呼ばれるアイテムのひとつとなってしまったのである。(コメントは、FEEF Newsletter #47 より、引用させて頂きました)