初代 ゴールデントータス 1977年


1973年に採択された「ワシントン条約」により、野生動物保護の気運が20世紀半ばから高まった事で、天然素材が入手しづらくなり、同等の美しさや質感を保つ人工素材の開発が、世界中で始まった。Zippo社では「鼈甲」にフォーカスし、その美しさと質感を生み出す為、多くの技術者やデザイナーが精力を傾けた。そうした取組の結晶として1977年に登場したのが、ゴールデントータスである。製造工程は、手の込んだものだった。金メッキが施されたケースの表面を削って窪みを作り、そこへ複数の色が配されたアクリル樹脂を流し入れて混ぜ合わせる。こうする事で、鼈甲に近い見た目と質感を実現すると共に、同じ文様が二つとない、唯一無二のライターが誕生する。中央のパネルには、オーナーのイニシャルを刻印できる様になっている。
販売から2年後、前記の様な手の込んだ手法から、アクリルパネルをケースに貼り付ける工法に変わり、ウルトラライト・シリーズが生まれるきっかけにもなりました。
コメントは「ジッポーコレクション:DeAGOSTINI」15号より転載させて頂きました。